先週のメールマガジンの編集後記について、「夜中は静かに行動すべき」、「あなたの考えはおかしい」、「他人の迷惑を考えろ」、「オマエが一番エラそう」、「常識がない」といったコメントを、たくさんの読者の方からいただきました。300ほどの読者数にも関わらず、アツい読者の方が読んでくださっているのだなと、正直、感激しました。どうも有り難うございます。
皆さんのおっしゃる通りです。
夜中は静かにすべきです。
他人には迷惑をかけない方が良いです。
僕が一番偉そうです。
カイルアには高齢者が多いです。
これからますます増えると思います。
カイルアのB&Bを利用する方は、比較的長期滞在型のメインランド(アメリカ本土)からのツーリストが多いようです。彼らのフライトは深夜に到着するため、空港でレンタカーを借りて、そこからカイルアまでドライブしてきますので、B&Bに到着する頃は、午前2時を回っていたりします。
長旅でやっと到着した安堵感から、ついつい声が大きくなってしまう彼らの気持ちも分かります。早寝早起きのお年寄りには、そういった近所の「騒音」はこたえるだろうなぁと思います。
カイルアのB&Bをご利用の観光客の皆さま、夜は静かにお願いします。
あらためて自分が書いた編集後記を読み直してみました。
彼らにとっては、「カイルア」の前に、「俺の」「私の」が付くのでしょうかね。
と書きましたが、よく考えてみれば、自分もそうでした。過去の編集後記などを読み直してみると、彼ら同様、自分だって、随分「俺の」カイルアモードだよなぁと思いました。「何か足りないなぁ、、」と考えたら、ハッと気がつきました。
『俺の「愛する」カイルア』だったんですねぇ(笑)。
言葉足らずで誤解を生ずるからといって、何から何までイチイチ全部書いてまで説明することはしません。なぜならば、カイルアの歴史をはじめ、住民層、職業、世帯所得、民主党と共和党の割合など、様々な背景をふまえた上で話をしなければならないからです。これははっきり言って、メンドクサイっす(ごめんなさい)。
カイルアに移り住んで丸10年が過ぎましたが、「その程度の町」と感じ始めたのは、ほんのつい最近です(去年、いや、今年に入ってからくらいでしょうか)。
今回のテレビでのニュースは、近所の友だちから聞いた話だと、なんとCNNでも放映されたそうです。CNNって言ったら全国ネットですよ。ローカルニュースとはワケが違います。その影響力を知っている人なら、そのニュースが何を意味するのか、今後の「ハワイ」のツーリズムにどんな影響を及ぼすのか、心配して当たり前です。
先週のそれでは書きませんでしたが、観光業に依存した仕事で生計を立てている人たちがたくさん住んでいるハワイ州で、「カイルアの住民は、犯罪が増えるとか治安が悪くなるとか、不動産がさらに高騰するとか、そういったことも懸念している」とのことだったんです。それがCNNで放映されたんです。
それって、「カイルアにツーリストが増えると犯罪が増え治安が悪くなる」と、訪れるツーリストに向かってカイルア(=本土の人から見れば「ハワイ」)の住民が言っているのと同じです。いじわるな見方をすれば、ツーリスト=犯罪者呼ばわりしているみたいな展開になりかねません。
ツーリストたちのことを腹の中ではそんな風に思っている住民が住んでいるカイルア。
ツーリストが訪れることを快く思っていない住民が住んでいるカイルア。
もしもカイルアのイメージがそんな風になってしまったとしたら、いくらビーチが綺麗だからと言って、あなたは訪れてみたいという気持ちになりますか?
僕が書いた「その程度の町」とは、カイルアが「自分のことしか考えていない住民が住む町」だと感じる時があるからです。
自分が生きている間は「俺のカイルア」で好きに暮らしたい。この町がこれまでここまでの治安と環境が保たれてきたのは、俺(たち(が納めてきた税金))のおかげだ。
本気でそう考えている人たちがたくさんいます。僕はそんな彼らに敬意を表するとともに、その利己的で自己中心的なプライドに、今のアメリカを見ます。
彼らにしてみれば、自分が死んだ後のカイルアのことなどアタマに無いのかもしれません。イヤ、もしかしたら、自分の子供や孫のため(だけ)に、自分が生きていた頃と変わらないカイルアを望んでいるかもしれません。
ハワイがもともとハワイ王朝だったことや、1848年の土地分割法(グレートマヘレ)、1850年の外国人土地所有法案によるアメリカ人たちの土地の買い占め、さらには1887年の「ハワイを共和制にしたい」と暴れたワガママな白人によるクーデター、そして1894年の白人勢力による臨時政府の樹立、ハワイ王国をハワイ共和国にし、次の年にはリリウオカラニ女王に濡れ衣を着せてイオラニ宮殿に幽閉、1898年にはついにアメリカの領土にしてしまったことなど、どれひとつとしてアタマの片隅にもないことでしょう。
そういえば、カイルアが「白人の多い町」って聞いたことありませんか? それは戦後のハナシです。近所の日系のおじいちゃんに聞いたのですが、戦前はアジア系移民がたくさん住んでいたそうです。パリハイウェイが開通して便利になり、「お、イイぢゃん?!」とハオリ(白人=Haole=ハワイ語で「息がない」という意味=ハワイの人は抱擁をする時ふぅっと息を吐く習慣があるのですが、白人にはそういう習慣がないところからそう呼ばれるようになったらしい)が住み始め、現在に至ります。
閑話休題、同じカイルアの住人として、気持ちはよく分かります。この先20年後もカイルアに住んでいたとしたら、彼ら同様、訪れる(マナーの悪い)ツーリストたちに辟易している自分がそこにいるかもしれません。
カイルアのことを「自分のことしか考えていない住民が住む町」と感じるのは、カイルアの住民たちの、「カイルアは他(ワイキキやカハラ、ハワイカイなどのエリア)とは違う」という、独特のプライドを感じるからです(他のエリアには長く住んだことがありませんので、もしかしたら同様の空気があるのかもしれませんが、、、)。
それはまた、カイルアの住民たちの、「俺(私)は他(ワイキキやカハラ、ハワイカイなどに住んでいる住民)とは違う」という、これまた独特のプライドまで感じさせてくれます。
そんな雰囲気を住民に感じる時、正直、僕はカイルアから引っ越したくなります。
もしかしたら、それくらいの気持ちでもって、自分の住む土地を守る意識はとても大切なことなのかもしれません(自分でも時間をかけてよく考えてみますね)。
しかし、カイルアはハワイの一部です。カイルアの町だけ独立しているのではありません。それをメディアを利用して(それも全国ネットで)、カイルアを訪れるツーリストの文句を言うのは度が過ぎると思います。
たとえカイルアの住民は構わなかったとしても、もしかしたら、ハワイを訪れるツーリストが減るかもしれません。もしもそんなことになったら、観光業に依存しているエリアは不景気になり、間もなく治安が悪くなり、いずれはカイルアの高級住宅地に泥棒が徘徊することになるかもしれません(おっと、「ローカルを泥棒呼ばわりしている」とか言わないように、、、(笑))。
ツーリストに対して「カイルア(ハワイ)のB&Bを利用する方、夜は静かにしましょう」といった啓蒙的な理由で、CNNのニュースにのせた(だけ)とは思えないんですよね。
ん、もしかして、メディアを利用しての、もっと他の思惑があるのカナ? ハワイ島の地震を取材に来たクルーが、他のネタとして、ラニカイにはハリウッドスターなどの別荘もあるカイルアを取り上げてみた(だけ)とか?!?、、、
苦情はできれば直接本人に(勇気要りますケド)。それができなければ、警察に通報すれば良いのです。B&Bだったら、B&Bのオーナーに言えば良いのです(これまた同じ住民としてなかなか勇気要りますケド、、、)。B&Bのオーナーにもっとネイバーに対する配慮があれば、こんなニュースも放映されずに済んだのかもしれません。
いずれにせよ、訪れる方は住民のことを、住民は訪れる方々のことを、お互いに思い遣る気持ちが何よりも大切だということだけは間違いありません。
相互互助。
相互互恵。
アロハスピリットって
そんなんぢゃなかったでしたっけ?
ちなみに僕が書かなければ、日本に住んでいるハワイクレイジーの皆さんは誰も知らなくても良い話題だったのかもしれませんね。
「我ながら余計なことを書いてしまったものだな」と、、、笑っちゃいました。
とにかく、
ツーリストも、住民も、
「カイルアでは静かに静かに静かに静かに」
ってことです(笑)。
(Taka)
追伸:
もしも今回の全国ニュースが、カイルアにホテルを建設しようと企てて(企んで)いる業者さんに対する牽制だとしたら、皆さんはどう考えますか?
「だとしたらチョット納得」
とか思っちゃったりなんかして、、、(爆)
度が過ぎると波風立ちます。
何事もバランスが大切。
ウインドサーフィンと一緒ですよね。
(無理矢理カイルアにこじつけて11月に突入〜!)
追伸2:
あともう一点。
「あんなヤツ(Taka)がいるカイルアに行くのはやめよう」
とか思う人がいたら、おっしゃる通り、カイルアには来ない方が身のためです。
僕は毎日のようにカイルアのビーチを散歩しています。度が過ぎた日本人観光客を見かけたら、品格ある明日の日本のために、品格のない日本語で分かりやすくお声がけさせていただきますので、、、(ウソ)
このメールマガジンを読んでくださっている読者の皆さんはもちろん大丈夫だと思いますが、自分の素行に自信のない方は特にご注意ください。まずは普通に立ち振る舞え、空気が読めるようになってからのほうが身のためです(逆ギレしないでね)。
住民とツーリストが上手に共存できる町づくりを模索していくことには、積極的に関心を持って取り組んでいきたいと思っていますが、町全体の「質」が高いレベルで保たれるためであれば、僕は他人様からどんなに嫌われようと全然構いません。
そのためなら、CNNだけではなく、日本国内の全国ニュースでも放映してもらうかもしれません。
そういえば、オアフ島の西の方にもそういう方がいらっしゃいました。
「オアフの西の方は危ないので行かないように」みたいなことを、パンフレットか何かに掲載した日本の旅行会社だか出版社に対し、その印刷物を回収させ謝罪させた人。
彼の息子さんと一緒に、子供たちに絵を教える機会があったのですが、すごく感じの良い好青年で、彼のお父さん(謝罪させた人)の話を別の方から聞いて、とても興味が湧いたのを覚えています。
そのためにも、僕ももっとチカラ付けとこ〜っと。
追伸3:
「本人に会ってみたい」
という奇特な方がいたら、連絡ください。会いましょう。
マカヒキフェスティバル 2006 : アロハハワイドットコム : 2006年11月5日〜2006年11月11日 Vol.1 No.45