トモダチ作戦

2011年3月11日に起きた東日本大震災の直後、米韓合同演習のために西太平洋を航行中だった、アメリカ海軍のロナルドレーガン空母打撃群が、宮城沖に急遽派遣されました。
震災翌々日の3月13日から翌月の4月4日までの3週間、海上自衛隊災害派遣部隊と震災対応に関する作戦会議を実施し、ヘリコプターで物資を輸送するなどしながら、トモダチ作戦へ参加しました。
その時の乗組員だった8人(23〜38歳)と子供1人(当時は胎児)が、東京電力福島第一原発から出た放射性物質で心身を蝕まれたとして、2012年末に、総額2億2千万ドル(約210億円)の損害賠償などを求め、カリフォルニア州の連邦地裁に提訴しました。
その後、東京電力の「『嘘』の情報で被曝した」として、オレもワタシもと訴える人が急増。その数は、2013年3月14日の段階で115人を超え、総請求額は一気に20億ドルを突破しました。
クラスアクションというスタイルの訴訟。つい最近の去年末にも、リコール関連の集団訴訟で、トヨタが11億ドル(約1000億円)支払いましたよね? 今度は東電。隠蔽体質の東電だから当然?! って、シャレにもなりませんね(ため息)。
レッドクロス(赤十字)を始めとする、アメリカの民間団体からの義援金は160億円。アメリカ軍がトモダチ作戦に要した費用が、最大で70億円(8000万ドル)。
いやぁ、、、それはそれ、これはこれかぁ。
仮に120人で20億ドルとして、一人当たり1667万ドル。ざっと16億円です。
ちなみに日本は、思いやり予算の特別協定(トモダチ作戦のお礼)として、向こう5年間、アメリカ軍に毎年1900億円を払っていますよね?
アメリカ人が名付けたトモダチ作戦の「トモダチ」って、どういう意味だったのかなぁと、フと思ってしまいました。
今、東北の復興に従事している人たちの日当って、いくらくらいなのでしょう? 福島の原子力発電所で、今も被爆しながら解体(の準備)作業をしている人たちの月給って、いくらくらいなのでしょう?
お金のためにやっているのではない。
人の命はお金では買えない。
人の命は何よりも重い。
そんなことは、誰でも言えます。
皆さんは、近い将来、今まで想像もしなかったようないろんな価値観が、日本に押し寄せてきそうな、そんな兆しを感じませんか?
っと、ここまで。
これを書いたのは今から3週間ほど前。先月、3月の下旬です。
> オレもワタシもと訴える人が急増。
我ながら、ヤな感じですねぇ、その言い方。
本当は、TPPに関して、日本の皆さんがこれにきちんと準備できているかを考えてもらうきっかけになればと思って書いていたのですが、読み返していたら、そんなことくらい日本の皆さんならきっととっくに当然考えているだろうから、僕が今さら問うことでもないカナと思えてきました。
どうして、ここまで書いた時点でアップしなかったのかと言うと、それよりも、気になり始めたことがあったからです。
アメリカ人が名付けたトモダチ作戦の「トモダチ」って、日本語の「ともだち」と同じ意味だったはずだと思(いたか)ったからです。アメリカ人だからとか、日本人だからとか、そういうことじゃないだろう? と、、、
で、「ちょっと待てよ」と、どうしてトモダチ作戦に関わった兵士が、このような訴訟を起こさなければいけなかったのか、もう少し調べてみることにしました。
すると、ちょっと気になるブログを発見。
ロジャーウィザースプーン(Roger Witherspoon)さんの、2013年1月31日の記事です。
A Lasting Legacy of the Fukushima Rescue Mission:
Part 1 Radioactive Contamination of American Sailors

ここに書かれていることの信憑性については、各自責任を持って読んでいただくとして、ロジャーさんがアップした4日後の2013年2月4日月曜日に、なんとこれを完全和訳して、ブログで公開している方がいました(素晴らしい!)。
福島救出作戦の永続的な遺産:パート1 米国海軍軍人の放射能汚染
興味がある方は、どうぞ読んでみてください。
簡単に言うと、
アメリカ国防省は、福島第一原子力発電所の破壊による放射性雲の影響を受けた、7万人(7千人?)弱のアメリカの軍人、軍属とその家族に対し、前例のない医療登録を、放棄することにした。
ということと、
当時の状況、そして今、彼らがどうなっているか、です。
グアムで3日間、集中トレーニングを受けて、放射能士官に任命され、福島に向かった兵士のことも書かれています。
これが事実だとしたら、トモダチ作戦で戦った兵士もまた、放射性物質の被害者です。アメリカ軍の最高司令官は大統領ですので、兵士のことはアメリカ国防省がケアするのですが、想定外の出費だったのでしょうかね。
それで、東電に?!? 順番としては、兵士 → アメリカ → 日本( → 東電?)ですよね? ということは、アメリカから日本政府には、この件に関してはすでに内々で打診があったでしょうね、きっと(アメリカとしては、こんなお願い、カッコ悪すぎて公にはできないでしょうから、、、)。
コレ、
もしも東電が支払ったとしたら、
日本の皆さんは納得できますか?
また電気代に上乗せされて、
これからも原発電力を使い続けますか?
日本人には払わない。アメリカ人にはマルを付けて桁違い金額の払う。もしもそうなったら、僕は面白くないなぁ、、、
以前、放射性物質により被害を受けた日本のゴルフ場に対し、原発から飛び散った放射性物質は「もともと無主物であったと考えるのが実態に即している」とし、それは東電の所有物ではないと、東電が主張したのを覚えていますか?
2011年10月31日、東京地裁は、東電のこの言い分を認めたトンデモな判決を下しました。
セシウムやストロンチウムが、まるでクルマの排気ガスと同じ扱いになっていますよね? 私たちが放射性物質に対して過剰に反応しすぎなのか、それとも、排気ガスに対する危機感が希薄すぎるのか? はたまたどちらもなのか?!?
まだまだ問題は山積みなのに、やっぱり原発に戻ろう(原発を再稼働させよう)としている動きを見ていると、みんな本当に、本当に本当に懲りないなぁと思います。
高レベル放射性廃棄物や使用済み核燃料を安全に最終処分する方法が見出せないのに、その根拠のない楽観的な空気って、なんなんでしょうかねぇ、、、
「安全に処分できない」ということは、たとえいくら「安全に稼働させる」ことができたとしても、それは、最終的には「安全ではない」ということです(よね?)。
最終処分場が自分の裏庭に建設されるとしたら、あなたはそれを喜んで引き受けますか? イヤではありませんか? 自分がイヤなことを他人に押しつけ、我が身だけは、我が子だけは、我が家だけは、我が家業だけはと、権利や恩恵だけは享受しようとするのは、もうやめませんか?
原子力エネルギーって、考え方によっては、最先端でありながら、時代遅れなエネルギーとも言えますね。
核エネルギーは、今の人類には、技術的にもマインド的にもとても扱いきれるエネルギーではないのだから、さっさと他のエネルギーにフォーカスしませんか?
きっと必ず、素晴らしいアイデアが出てきますって。
今までもそうやって、ここまで進歩してきたではないですか。
(Taka)

コメントをどうぞ